イタリアの山間の農家で、厳格な信仰のもと暮らすサラ、エステル、ミリアムの三姉妹。ある日、事情を抱えた若い従兄プリモが滞在することになり、彼の存在が姉妹たちの感情を変化させていく。お互いの距離感、交わる一瞬の視線、声を聞いただけで生じる緊張を「罪」として処理しようとするが、感覚は消えない。やがて姉妹それぞれの内面に、抑圧されていた欲望が芽生えはじめる・・・
フランス対外治安総局DGSEの極秘部隊アルファの秘密工作員バドは、シリアの武器商人暗殺の任務中、ターゲット以外の女子供の殺害命令を拒否し、上層部から命を狙われ、爆破から間一髪で脱出する。7年後、バドは名前を変えモロッコで警察官の夫イリアスと平穏な新生活を送っていた。しかし、イリアスが有力な武器商人クーリー家の捜査をしていたことから標的となり撃たれてしまう。バドは封印していた戦闘本能を呼び覚まし、復讐のため再び銃を手に取るが、クーリー家と武器の闇取引で通じていたDGSEがバドの存在を知り抹殺しようとする。復讐と過去から続くDGSEの不正を知ったバドは、たった一人で粛清に身を投じていく。
新宿コリアンタウン。在日韓国人のミンジョンは親友の美奈に誘われ、小遣い稼ぎのつもりでシンバン=巫女を始める。やがて、彼女に救いを求める人の数はどんどん増え、それは彼女を教祖とする宗教団体“真教・神の水”となっていく。喪失感と閉塞感、混乱と混沌、不信と不安……。“今”を生きる多様な人々が織りなす人間模様と、自然から放射される生命力が同じ目線で描かれ、善と悪、陰と陽、聖と俗が絶妙なバランスでスクリーンに息づき、神秘的で力強い映像が観る者の心に浸透していく。
引退を悩むストリッパーのミサキと、街のはずれの小さな喫茶店でミサキのファンによって結成された官能小説の朗読会チーム。ある日、恋に悩む内気な女子高生・葉子が喫茶店にやって来て…。不思議な出会いで、忘れていた気持ちを思い出す、静かな街のある1日。
昭和と平成を震撼させた逃走劇が、令和の時代に新たに問いを投げかける。福田和子の人生を通じて浮かび上がる社会の闇と光、人間の弱さと強さ。
19世紀初頭のスペイン。時の王妃マリア・ルイーサが絶大な権力を握っていた頃、スペイン王室を揺るがす大事件が起きる。王妃と対立関係にあったアルバ侯爵夫人が急死を遂げ、発作によるものと思われていた夫人の死が、王妃や宮廷エリートが寵愛する愛人のペピータなど各々の愛憎が複雑に絡み合い、誰もが殺害を企んでもおかしくないという事実が明らかになっていく。一方、王妃が侯爵夫人のお膝元で宮廷画家を務めていたフランシスコ・ゴヤは、後の絵画界の歴史を変える世紀の傑作『裸のマハ』を、今まさに完成させようとしていた。しかし、この一枚の名画がゴヤだけでなく、女たちの運命をも大きく変えることになる・・・
欲望渦巻く眠らない街・ソウルの繁華街で、ミソン(ハン・ソヒ)とドギョン(チョン・ジョンソ)は日々生き延びるために必死に金を工面していた。「昼は働き夜は眠る」――そんな普通の生活を夢見る二人は、その第一歩として、ミソンが勤めるフラワーショップの事業を継ぐという目標を達成する日も目前に迫っていた。しかし、夢が叶おうとしたまさにその時、ある人物から騙されていたことがわかり、すべてが粉々に砕け散る。追い詰められていく二人は、クラブを経営するト社長(キム・ソンチョル)がソウル近郊のどこかに大金を隠しているという情報をつかむ。一攫千金の大チャンスを目の前にした二人は、人生を懸けた危険極まりない大勝負に乗り出した――!
スウェランディア王国のユリアン王子(イサーク・カムロート)は、淑女たちの憧れの存在。彼と結婚するために、彼女たちは日々努力を重ね、美しさに磨きをかける。エルヴィラ(リア・マイレン)は、母レベッカ(アーネ・ダール・トルプ)の再婚のために妹アルマ(フロー・ファゲーリ)とこの王国へとやってきた。ユリアン王子の花嫁になることを夢見ながら・・・。新しい家族となる義姉妹のアグネス(テア・ソフィー・ロック・ネス)は、家柄に恵まれたとても美しい女性。一方、エルヴィラは矯正器具に覆われた口元、ふくよかな体形、こじんまりとした鼻、つぶらな瞳。しかし、アグネスの父が急逝したことで事態は一変する。レベッカはアグネスを貶め、エルヴィラを王子の花嫁にするため手段を選ばずに美を施してゆく。そんななか、ユリアン王子の花嫁候補を集めた舞踏会が開かれることになるが――。
アリーは耳の不自由な息子フィルを育てるシングルマザー。部屋を貸していたルームメイトが故郷に戻ることになり困っていたところ、街から街へ旅をしながら絵を描く芸術家のローナンが現れる。かなりの変わり者ではあったが、“3ヵ月のお試し期間”を条件に部屋を貸すことに。一方、アリーの父が娘ほど年の離れた女性と再婚することになりショックを受ける母リリアンは、悔しさから2週間後に控えた元夫の結婚式にパートナーを同伴させようと、マッチングアプリで相手探しにふけっていた。そんな中、次第にローナンを慕うようになったフィルが絵を描く楽しさを覚えたことを受け、アリーはそのお礼としてローナンに街案内を実施。行動を共にするうち、人生を素直に楽しみむことを惜しまず表現するローナンに、アリーは少しずつ影響を受けていく。
2人の娘キーラとマディを育てるキャムと結婚した、未解決殺人事件ポッドキャスターのレイシーは、現在妊娠中。日々の誹謗中傷メールに悩まされながらも、仕事に奮闘していた。そんな彼女が新しく取り組むことになったのは、6年前にサラ、3年前にマリサが殺害された2つの未解決事件。この事件には共通点があり、同一犯の仕業ではないかという疑いがあった。そんな彼女のもとに、事件に関わるなといった謎の脅迫写真やメールが頻発して届くようになる。自身もまた、20年前に妹のジョスリンを殺された過去を持つレイシーは、逆に、俄然やる気を出し、不審な行動を取るスタッフのバレンタインに疑念を抱くのだが…。
フィンランド出身の女性アイノは、ベビーシッターとして裕福なミラー家に派遣される。しかし、家の中にはどこか張りつめた空気が漂い、夫のブレンダンと妻ロビンの間には不穏な緊張が、息子クリストファーに対しては冷淡さが感じられた。住み込みで働くことになったアイノは、夫妻のぎくしゃくした関係に戸惑いながらも、慎重に日々を過ごしていく。ある日、ブレンダンの父とロビンの祖父の“共通の弁護士”であるマービンが家を訪れ、ミラー夫妻の結婚生活が円満に保つよう意味深な忠告を受けるアイノ。この夫妻の結婚は政略的なもので、莫大な財産は息子クリストファーが相続する取り決めになっていた。そのため夫妻は互いを信用できず、憎しみを抱えたまま、破綻寸前の結婚生活を続けていたのだった。やがて、その歪んだ関係の渦に、アイノ自身も巻き込まれていくことになるが…。
アメリカとメキシコの国境地帯にはある伝説があった。それは、アステカ歴の“どの月にも属さない5日間”が訪れ、その間、古代アステカの神々が地上に降り立ち、人間の魂を奪うというもの。ある夜、メキシコ側から国境を超えようとする人々が何者かに襲われ、妊娠中の妹ガブリエラを連れた青年ラウイもその騒動に巻き込まれる。一方、アメリカ側の国境近くで牧場を営む父チャーリーと暮らすニコールは、牧場に勝手に入り込む移民たちに日々、悩まされていた。そんなある日、家のガレージで腹部をケガしたラウイを発見するニコール。彼は“アステカの悪霊に襲われ、ガブリエラと国境近くではぐれた”と言う。ニコールはラウイに同情し、一緒にガブリエラを探すが…。
大好きだった祖父が急死したことで、両親とともに祖母が暮らす家を訪れた少女リーズル。長年連れ添った夫を亡くしショックで寝込んでいる祖母に、リーズルが恐る恐る話しかけると、突然目が覚めたように意識を取り戻す。その後、リーズルが祖父にもらった”歌う石”を抱いているのを見た祖母は、玄関に置いてあったもう1つの“歌う石“を持ってくるよう告げる。向かい合わせた石が”歌う”ように共鳴すると、祖母は祖父への記憶を取り戻したことで元気を取り戻す。しかしそれと同時に、両親の不審な行動や攻撃的な言動に振り回されてるリーズル。すると、部屋の中で、得体の知れない何かの気配を感じ、1人で確認に向かうのだが…。
「弱いパパでごめんね」一言だけのメモを残し、優しかった父は死んだ。そして母は壊れて消えた。家族も友達も、いない。14歳の奈良希穂は、中学に入ってからずっと孤独な一人暮らしをしていた。ある日、学校の屋上で自称天使と出会い「人生最期の1日」を共に過ごすことに。何気ない1日の中で次々と現れるへんてこな人々の心の機微に触れ、希穂の世界は静かに揺り動かされていく。最期と決めた1日の終わりに彼女を待っていたものとは―。
リバーは娘のジェイドを育てるために麻薬の密売人をしている。ある日彼女は警察の捜査に掛り、見逃す代償として、ドラッグディーラーのボスの処まで彼らの案内役を引き受ける。最初は取引現場に警察を連れて行けばいいだけだったが、リバーはそのまま車に乗せられてボスの家に連れ去られる。警察は一行を見失い、彼女は命からがら隠れ家を脱出するが、今度はジェイドが連れ去られる。リバーは娘を救うために再び単身ボスの待つ隠れ家に向かうが。。。二人は無事にこの夜を駆け抜け夜明けを見ることができるだろうか?
干ばつに苦しむアメリカ南西部の砂漠地帯、ネイティブアメリカンの老婆メイベルは電気も水道もない小さな家で夜空の星を眺めつつ独り慎ましく暮らしていた。一方、手品師ライルは車がオーバーヒートし、立ち寄ったガソリンスタンドで水不足を知る。給油代を手品でごまかして逃走するが、不思議な光を追いかけた先で再び車が故障し、メイベルの家に辿り着く。彼女に水を求めるが、孫が運んできてくれるまでないという。翌朝、水を届けに来たのは昨晩立ち寄ったガソリンスタンドの店員サードだった。給油代を払えと揉める中で、サードが毒蛇に咬まれるが、解毒剤も電話もなく、携帯電話も通じず絶望的な状況下で、メイベルは先住民から伝わる不思議な治療を始める。
ある日、広島の若者モッチとアヤカは謎めいたアメリカ人観光客ジョンに出会い、広島の街を案内することになる。ジョンには奇妙な力があり、街の至る所で何かを見つけていく。 一方、小学校で原爆の歴史を学び怖くなった少年ユウヤはその夜夢を見る。夢の中の少女はユウヤを戦時中の広島の街へと誘う。 彼らに起こる不思議な物語は混ざり合い、一つの大きな渦になる。 この街の過去と現代が交錯し始める。やがて、忘れられていた愛の歌が街に響き、人々はひとつの奇跡を見つめる。
結婚生活がマンネリ化してきたマグダレーナとアッシュ。息子のカイを授かってからは夜の生活も途絶えがちになり、2人の間には不穏な空気が漂っていた。そんな状態の中でアッシュが2人きりのバカンス旅行を提案、夫婦仲を改善するための旅行にマグダレーナも楽しみにしていた。しかし、互いの仕事がうまく進まない苛立ちを抱えての旅行は言い争いが絶えず、夫婦の溝はますます広がってしまう。そんな中、ヨガのインストラクターと出会ったことでマグダレーナとアッシュはバカンスの楽しみ方を教わり、さまざまな感情が解放された気分を味わう。やがて未知の世界への誘いに、マグダレーナは自分でも忘れていた“もう1人の自分”を思い出していく。
ポッドキャスターのエリスは、“クリスマス特集”のネタ探しに行き詰まっていた。そんな中、エリスはキャスター仲間ボニーの番組にゲスト出演した際、リスナーのダニエルから幼馴染みのタニヤとの関係について相談を受ける。しかし、曖昧な返答でその場を濁したことを後悔したエリスは、後日ダニエルに会い謝罪、彼とタニヤの恋を応援する企画を提案する。最高のクリスマスを演出しながら、エリスとダニエルはニューヨークの街を巡りながらさまざまなロマンチック体験を共有していくが、次第にエリスはダニエルに惹かれていってしまう。上司からダニエルとタニヤ、タニヤの恋人クリフとの三角関係を番組に盛り込むよう指示を受けたエリスは、仕事と恋心の狭間で苦悩する。
やることといえば亀のエサやりぐらい。周りの人からは、自分が見えていないのではないかというほど、雑に扱われてる気が…。代わり映えのしない毎日と、自分の平凡さを嘆く主婦・スズメは、ある日、駅の階段のへこみに張られた小さな広告を目にする。「スパイ募集」―思いがけない文字に興味を引かれ、そこに書かれた番号に電話をするスズメ。後日、指定された安アパートに行ってみると、クギタニと名乗る夫婦が彼女を待っていた。そこでスズメは、ちっともスパイらしく見えない2人に?才能がある”と絶賛され、半ば強引に活動資金500万円を手渡されてしまう。
旅の僧侶・小次郎法師は、全国行脚の途中で、現在の神奈川県の秋谷という集落の屋敷に、魔物が住んでいるという噂を聞きつけて、興味本位で立ち寄ることにした。茶屋の姥に話を聞くと、どうやら訳ありの若者が、その魔物の家に住み着いて日々やせ細っているという。懇願された小次郎法師は、一度は願いを引き受け、若者の助けになろうと屋敷へと向かうのだが、辿り着く前から、目に見えぬ怪しい蜘蛛の糸に絡め取られつつあった。
運命に導かれるように親しくなった、二人の少女。俳優を夢見る高校生スアンの前に、都会から美しい人気俳優のソルが転校してくる。煌びやかな世界で自分を見失ったソルの心は、スアンの青く燃えるような演技に惹かれていく。放課後、冬の海でサーフィンをした二人は、冷えきった体を炎の前に寄せ合い、互いの孤独に触れながら少しずつ心を通わせていく。しかし、思春期の揺れる想いは「友情」と「恋愛」の狭間ですれ違い、ソルはスアンの前から姿を消してしまう。成長して人気俳優となったスアンは、あのとき伝えられなかった想いを胸に、今もなおソルの面影を探し続けている。そしてある寒い雪の日、彼女はふたたび、冬の海へと向かう。
朝から同居する恋人にフラれ、仕事まで失うという最悪な1日を過ごしたミシェル。落ち込む彼女を見かねた親友のサラに、ある日、自己啓発プログラムに誘われる。“イエスと言おう”と名付けられたブログラムはリゾートビーチに1週間滞在し、毎日さまざまなチャレンジを行うというものだった。元彼から「退屈で保守的で意外性がない」と言われていたミシェルは思い切ってサラと参加することに。プログラムは担当コーチのジャックの指導のもと行うことになるが、実はジャックとは初対面で気まずい思いをしており、ミシェルはイマイチ乗り気になれなかった。だが、少しずつ自分の恐怖に立ち向かうようになったミシェルは、ジャックに少しづつ心を開いていく。
母から「あなたはお父さんとお母さんが愛し合って生まれた子」と言われながら育った雨音。しかし人工授精の技術が発達し、夫婦が性行為をすることはタブーとされ、人が恋や性の対象として見るべきなのは、家の外の恋人や二次元キャラクターだと言われている世界で、雨音は交尾をして自分を産んだ母に嫌悪感を抱いている。大人になり結婚をした雨音だったが、夫に襲われそうになり離婚するが、その後、高校からの親友である樹里の勧めで出会った朔と雨音は意気投合。“選ばれた住民たちが一斉に人工授精を行い、生まれた子どもは住民全員の子として愛されながら育つ”という実験都市“エデン”への移住を決意する。二人にとっての楽園(エデン)はユートピアか、それともディストピアか・・・・
かつて夫だったカリムに、愛する4歳の娘アミナを国外へ連れ去られたマーラ。行き先はカリムの故郷である中東と思われるが、国際的な親権争い、文化や宗教の違い、国家間の制度などマーラの前に大きな壁が立ちはだかり、その消息は掴めないまま数年の月日だけが流れる。少しでも娘に近づくため、マーラは誘拐された子どもを救出する仕事を行う元軍人のロブソンの任務を手伝う。そして、ついに娘の居場所に近づく有力な情報が得られる。それは中東・ベイルート。ロブソンたちの協力の元、ベイルートへ向かうマーラたち。だが、それは国境や組織、さらには国家レベルの陰謀までもが行手を阻む過酷なミッションとなる。果たしてマーラは無事、娘を取り戻すことが出来るのか!そして、この再会に未来はあるのか!?
ジェシカは夫ピーターから長きに渡るDVを受け、支配的な生活を強いられていた。しかし、心身の限界を悟った彼女は、息子ノアと共に妹のレイチェルが暮らすカタリナ島へと身を隠す。ピーターの影に怯えながらも新天地で心休まる生活を始めたジェシカ。しかしDVの後遺症により、男性に対する恐怖心と何者かに監視されているのではないかという警戒心で眠れぬ夜を過ごしていた。そんな日々が続く中、レイチェルからピーターが事故死したという知らせが届く。ようやく夫の支配から解放されたと安堵するジェシカだったが一方で、彼女の周りでは不審な出来事が続き、ピーターが自分たちを狙っている気配を強く感じていた。
17歳のキムは優等生だが、スタンフォード大学に入学できる自信がなく、推薦の結果も補欠扱いだった。それでも、スタンフォード大学のスポーツ奨学金をもらえた彼氏のダンと一緒にいたいと願っていた。そんな中、ダンの家で、未成年が参加するにも関わらず両親も了承した上でアルコールを交えたパーティーが開かれる。そこでキムは、ダンが他の女の子とキスしている現場を目撃し感情的になってしまう。さらにダンから別れ話を切り出されたことで取り乱したキムは、大量のアルコールを摂取し、泥酔状態で車を運転。その結果、対向車線を走っていた同級生のジョーイと正面衝突し、意識不明の重傷を負わせてしまう。
目を覚ますと、不気味な部屋の中に閉じ込められていた1人の女性。彼女自身、記憶がなく、その状況を把握できずにただただ混乱する。その時、謎の男が彼女にスピーカー越しに話しかけてきた。社会が彼女を悪人とみなし、心の中の社会悪を矯正する治療を施している最中なのだという。どうやら彼女は何某かの罪を犯して捕らえられ、記憶を削除されて今は白紙の心のまま治療=実験を受けさせられているらしい。協力しないと既に彼女に投与されたセラムが脳内で毒素となって彼女を蝕み、死に至らしめる。解毒剤を得るためにも、彼女は実験を受け入れざるを得ない。そんな精神的苦痛と不安の中から、彼女は少しずつ真実を見出していくのだが…。
大石万理花と須藤玲は、アイドルグループ・FunFAREの現エースである西尾由奈の卒業コンサートのために呼び出されていた。3人は結成メンバー。由奈の希望により卒業曲は、ダンサーをしている万理花に振り付けを、衣装制作会社で働く玲に衣装のデザインを頼むことに。才能の限界を感じてアイドルをやめ、振付師を目指してダンサーになるもバイト三昧な万理花。一方、才能とカリスマ性で人気を牽引していたものの服飾の道に進み、衣装制作会社に入るも慣れない社会人に疲弊する玲。決して成功しているとは言えないセカンドキャリアを送る中で、由奈の門出を華々しく飾るべく2人は奮闘する。しかし、すれ違いうまくいかない万理花と玲。そうした中でも由奈の卒業の日は近づいてくる…とうとう由奈のアイドル最後の日。無観客配信で行われるライブの客席には万理花と玲の姿。卒業曲を披露し終わった後、万感の思いで由奈がステージに立っていた。
周囲に馴染めず、転校を繰り返す杏菜が、新たな寄宿学校で出会ったのは、美しく完璧な少女・莉花。 しかし、莉花は突然、屋上から飛び降りて命を絶ってしまう。残されたのは一冊の≪日記≫。ページをめくるたび、莉花の苦悩や怒り、痛み―― そして、言葉にできなかった“ある秘密”が浮かび上がる。その秘密に触れた杏菜と少女たちの心は揺さぶられ、初めて“自分”と向き合い始める。やがて日記から青白く揺れる“鬼火”のような魂が現れ、杏菜の心に静かに入り込む。その魂に導かれ、杏菜は予想もつかない行動へと踏み出す――。観る者は知らず知らずのうちに、その奇妙で美しい世界へと引き込まれていく。
ソープ店で働く主人公・加那。ある日、母から電話が。「一週間だけ、おばあちゃん の介護してくれない?」 仕事のことを隠していた加那は、ソープ嬢ということを秘密に、翌日から祖母宅⇔ソープ店を行き来して、“人の身体”を洗い続ける二重生活〈ダブルワーク〉をすることに。認知症が進み、名前すら覚えていない祖母・紀江の介護に奮闘する加那。会うたびに“初対面”を繰り返してゆく毎日。「どうせ忘れる」相手に対し加那は、祖母との暮らしの中で、本当の事を素直に打ち明けられている自分に気付く。そして祖母の知らなかった、これまでの人生と孤独が垣間見えてきて…。
インドのムンバイで看護師をしているプラバと、年下の同僚のアヌ。二人はルームメイトとして一緒に暮らしているが、職場と自宅を往復するだけの真面目なプラバと、何事も楽しみたい陽気なアヌの間には少し心の距離があった。プラバは親が決めた相手と結婚したが、ドイツで仕事を見つけた夫から、もうずっと音沙汰がない。アヌには密かに付き合うイスラム教徒の恋人がいるが、お見合い結婚させようとする親に知られたら大反対されることはわかっていた。そんな中、病院の食堂に勤めるパルヴァティが、高層ビル建築のために立ち退きを迫られ、故郷の海辺の村へ帰ることになる。揺れる想いを抱えたプラバとアヌは、一人で生きていくというパルヴァティを村まで見送る旅に出る。神秘的な森や洞窟のある別世界のような村で、二人はそれぞれの人生を変えようと決意させる、ある出来事に遭遇する──。
あかり(46)は数年前の交通事故でもうすぐ生まれてくるはずの胎児を亡くして以来、がらんどうの心身を抱えて生きていた。自宅と職場とスーパーを行き来するルーティンの毎日で、人づきあいは素っ気ない。ところが、エミコ(17)という野良猫のような少女が居候してしまい、あかりの生活は掻き乱される。性格も習慣も真逆でぶつかってばかりの二人の唯一の共通点は、母親の愛情を知らずに育ったこと。ぎくしゃくしながら一緒に暮らすうちに、あかりの目に映る景色が変わっていく…。
ベルギーのテニス・アカデミーに所属する15歳のジュリーは、その実力によって奨学金を獲得し、いくつもの試合に勝利してきた。ある日、突然、担当コーチのジェレミーが指導停止になったことを知らされると、彼の教え子であるアリーヌが不可解な状況下で自ら命を絶った事件を巡って不穏な噂が立ちはじめる。ベルギー・テニス協会の選抜入りテストを間近に控えるなか、クラブに所属する全選手を対象にジェレミーについてのヒアリングが行われ、彼と最も近しい関係だったジュリーには大きな負担がのしかかる。それでも日々のルーティンを崩さず、熱心にトレーニングに打ち込み続けるジュリーだが、なぜかジェレミーに関する調査には沈黙を続ける……。
仕事を探していた22歳の大学生、白雪梅(パイ・シューメイ)は、割のいい仕事を紹介してくれるという親切そうな若い女性と出会い、その誘いを受けて遠く離れた山奥へ向かう。長く過酷な旅の末、眠りに落ちた白雪梅が目を覚ますと、そこは見知らぬ農家だった。自分がどこにいるのかも分からず、財布や身分証明書、手荷物はすべて失われている。仕事を紹介した女性の姿もどこにも見当たらない。やがて白雪梅は、村人から村に住む40歳の独身男性・黄徳貴(ホアン・デグイ)の花嫁として売られたのだと告げられ、自らが人身売買業者に騙されていたことを知る……。
1960年代のフランス。子供の頃から、スチュワーデスになることを夢見ていたナターシャ。何度も試験にチャレンジするが、当時の航空会社は厳しい外見基準を設けており、背の高い彼女は、何年も最終面接をパスする事が出来ず空港職員として働いていた。ある日、パリから美術品を運ぶ特別便の臨時スタッフとして空を飛ぶチャンスを掴む。しかし、その輸送品にあった〈モナ・リザ〉の盗難事件が発生。ナターシャは思わぬ展開に巻き込まれ、空への憧れをよそに人生最大の冒険へと飛び込むハメに!?
漁師たちは、地元湾での魚の減少は、腹ペコのイタチザメによるものだと気づいていた。しかし“エサ”は魚だけではなかったのだ。恒例行事である湾一周のヨットレースを控えた町の桟橋を訪れる人達が次々と餌食になっていく。そんな事を知らない“内陸水域センター”職員のアールは、オシアナと恋人関係にあったが、互いの両親が経営するヨットクラブが敵対状態にあり、頭を悩ませていた。一方、マリーナには新聞記者のローラが現れ、失踪事件について調査を進めると、アールの父ドリップに別の金銭問題があることが判明。サメによる被害の記憶が薄れていき、遂にヨットレースがスタートするのだが…。
深夜の倉庫街で音楽制作中のマサキとKの元に、抑圧された日常から逃れるようにして3人の女が集まってきた。マサキとKとの出会いによって自分を解き放っていく3人。それは、共に作り上げていく一つの音楽に結実するように思われたのだが…。
福島出身の廣木監督が同じく福島出身の撮影=鍋島淳裕と共に、福島ロケを敢行。様々な人々が交差する海辺の町を舞台に綴られた映像詩。この新鮮な映画力
ささやかで平凡な生活を送っていた夫婦。ある日同窓会に参加すると徐々に驚愕の事実が明らかになっていく。日常に潜む狂気を見事に抉り出す、熊切ワールド。
私にできること、それは私自身でいること。記号のように過ぎていく29歳の毎日に、漠然とした不安を感じている小学校教師の雪子。不登校児とのコミュニケーションも、彼氏からのプロポーズにも本音を口にすることを避け、ちゃんと答えが出せずにいる。ラップをしている時だけは本音が言えていると思っていたが、思いがけず参加したラップバトルでそれを否定され、立ち尽くしてしまった。いい先生、いいラッパー、いい彼女に...なりたい?と自問自答しながら誕生日を迎えた。でも現実は、30歳になったところで何も変わらない自分でしかない。それでも自分と向き合うために一歩前へ進んだ彼女が掴んだものとは―――。
専門学校の写真の講義で出会った写真家の竜次とジャズシンガーを目指す小春。「歌っている姿を撮ってほしい」と頼まれた竜次は、ジャズクラブに小春のライブを見に行き、その姿に魅了される。東京で妻子と暮らす竜次だが、毎年、札幌のギャラリーで小春を撮った写真の個展を開くようになる。年に1度だけ、少しずつ変わっていく小春の姿をカメラに収め続けてきた竜次。だが、個展の開催9回目を迎えた春、突然ギャラリーの閉店が告げられ、2人の関係に終わりが近づく…。
母を亡くした小学4年生の美咲は、奇行を繰り返し不登校に。家族や教師が心配する中、彼女は陶芸家の工房で土に触れながら過ごすようになる。ある日、父と親しげな女性が現れ、美咲は彼女が“新しい母”になると悟る。喪失と再生の狭間で、少女と周囲の人々の人生が静かに動き始める。
時は流れ季節は夏に。来る第二の簒奪者との戦いに向け、明桜と彩希は日々を過ごしてゆく。青い空に海花火。買い物訓練宿題合宿。一度きりの高1の夏。変わってゆく日常の中、ついに始まる第二の儀式。明桜と彩希は〈ヴァリシア〉を駆り、新たな戦いへと臨む。変わり始めた関係も、どうしようもない現実も、その先にある運命も。繰り返す日々は幸福で、幸福とは今だった。運命の先、二人の心が交わる時、第九の巨人は仮面を棄てる。すべての今を愛するために。もう何一つ零さぬように。
時は2006年、四国の海運都市。陸上選手の夢を失った少女、星守明桜は親友の海添彩希とともに高校に進学。新しい友人と出会い、かつての自分を取り戻しつつあった。しかしある日彩希が姿を消してしまう。この星には、太古より続く戦いがあった。かつて神に与えられた8機の巨人〈星辰機〉。『これに乗り、百年に一度現れる〈簒奪者〉より生命の火を守れ』その言葉に従い、星辰機に選ばれた乗り手は戦い抜いてきた。それから幾星霜。全ての星辰機が斃れてから百年。次の百年を繋ぐため建造された巨大ロボット〈星辰機・デスタニア・レプリカ〉の「精神燃料」として捧げられた彩希の魂に選ばれ、明桜は全生命を守る戦いに身を投じる。彩希とともにいるために。彩希へ一歩踏み出すために。そしてもう一度、自分を信じるために。彩希の運命を奪い奇跡の熱量が爆ぜた時、存在しない9番目の巨人が目覚める。其は〈ヴァリシア〉。冥王の名を持つ白亜の巨人。
事故の後、ある女性が記憶喪失に陥り、気づくと人のいない奇妙な病院にいた。彼女はこの恐ろしい島の謎を解こうとする。
子供と夫を殺した容疑にかけられた親友の無実を証明しようと戦うが、その裏に隠された秘密を知ることに。
LAで弁護士として働くアリは所属事務所でパートナー昇格の話が持ち上がるが、役員から様子が変だと心配される。実はアリは、亡くなった大おばユージニーから、「遺産が欲しいなら最後の鉢が置かれる前にエミリア・ウッドの秘密の財宝を見つけよ」との遺言を受けていた。遺産とは、幼少期を過ごした英国の邸宅や土地で、秘密の財宝とは300年前に消えた金塊の伝説が絡んでいた。パートナーを目指すなら、その件を片付けて冷静さを取り戻すべきだと役員に告げられ、アリは英国デボン州にあるポットン邸へ旅立つ。アリは遺品のロケットペンダントを手掛かりに、ポットン邸の管理人でシングルファーザーのマシューとその娘ソフィー、幼馴染みのハンナらの力を借りて謎の解明に挑む。
借金取りに追われ、二人の子供を抱えて東京へ逃げてきた夏希は、昼夜を問わず必死に働きながらも、明日食べるものにさえ困る生活を送っていた。ある日、夜の街で偶然ドラッグの密売現場に遭遇し、子供たちのために自らもドラッグの売人になることを決意する。そんな夏希の前に現れたのは、孤独を抱える格闘家・多摩恵。夜の街のルールを何も知らない夏希を見かね、「守ってやるよ」とボディーガード役を買って出る。タッグを組み、夜の街でドラッグを売り捌いていく二人。ところがある女子大生の死をきっかけに、二人の運命は思わぬ方向へ狂い出す―。
ザラは夫マックスと養子の娘ローズとともに穏やかな暮らしを送っていた。しかし、最近ローズが実の両親の情報を求め始めたことに一抹の不安が頭をよぎった。18年間育てた娘がいなくなり、幸せな家族が崩壊してしまうかもという焦燥感から、ローズの気持ちをはぐらかしていたザラ。そんな時、ローズの学校の女性カウンセラー、ヘイリーが妙に親しげに近づき、ザラは違和感を抱く。2人の関係を警戒したザラは、ヘイリーと距離を置くようローズに告げるが、やがてヘイリーから「自分がローズの実母である」と告白される。平穏だった家族の生活は、ほんのささいなきっかけで崩れ始め、母娘の絆を引き裂こうとするヘイリーの策略によって、ザラとローズの仲が危険な状況に追い込まれる中、ヘイリーの正体を暴こうと奔走する。
アビーは人気恋愛配信番組「ラブズ・リスニング」のプロデューサー兼作家。しかし、アビーの名前は番組のクレジットに入っていない。配信番組アワードの最優秀賞を獲るまでは、MCのセリーナの影となり、彼女を支え番組を盛り上げる契約だからだ。そんな日々もあと少しと思いながら、アビーはセリーナのフォローに奔走する。だが、リスナーから“恋愛の教祖”と称されるようになったセリーナは、次第にわがままで理不尽な態度をアビーに向けるようになっていた。ある日、タイムズ・デイリー社のジャックという記者から、セリーナの取材日時確認の電話が入る。しかしセリーナは、取材の約束自体をすっかり忘れていた。アビーはセリーナのため、取材に間に合わせるべく奔走するが…。
新人賞を受賞したにも関わらず、未だ単行本も出ない不遇な新人作家・相田大樹こと中島加代子(のん)。その原因は、大御所作家・東十条宗典(滝藤賢一)からの痛烈な酷評だった。名だたる文豪に愛された「山の上ホテル」に自腹で宿泊し、文豪気分で原稿に向かっていた加代子のもとへ、大学時代の先輩で大手出版社の編集者・遠藤道雄(田中圭)が現れる。東十条が上階でカンヅメ中と知らされた加代子は、「原稿が上がらなければ私にチャンスが…」と奇想天外な作戦で執筆を妨害し、掲載の機会をつかむ。ここから因縁の対決が幕を開け、デビュー直前で何度も蹴落とされ、さらには味方と思っていた遠藤の裏切りまで。加代子は「私は私の夢を叶える!」と立ち上がり、不屈の精神と奇策で理不尽な文学界を駆け上がっていく。
シングルマザーのジェニカは出会いを求めてパーティーに参加するも、誰とも話せず“壁の花”と化していた。そろそろ帰ろうと考えていた彼女に、マルコムと名乗る男が声をかけてくる。初対面なのに積極的に話しかけてくる彼を警戒するジェニカだったが、その優しい笑顔とエスコートぶりに悪い気持ちは抱かなかった。さらに家まで送ってもらった翌朝、息子ジェレミーと子守のジャニスを待っていると、なぜか玄関に花束を手にしたマルコムが現れる。戸惑いながらもジェレミーにマルコムを会わせると、すぐに打ち解け仲良くなった様子に安心する。結婚の失敗から男性に対して消極的だった彼女は、徐々にマルコムを受け入れ始めるが…。
四肢麻痺の父・保(間瀬英正)と2人で暮らす爽子(古澤メイ)は、介護と生活費の負担を抱えながら何度も生活保護を申請するものの、水際作戦によって門前払いが続いている。十分な福祉サービスも受けられず、将来への不安とささやかな夢を抱えながら日々をなんとかやり過ごしていた。そんなある日、頼りにしていたベテラン介護士が担当を外れ、代わりに新人の訪問介護士・桐谷さと(小川黎)が派遣される。場面緘黙の気質を持つ彼女との距離感に戸惑いながらも、爽子は生活の再建を目指す。しかし、ケースワーカーの遠藤(梅田誠弘)とさとの来訪をきっかけに、ある事件が連鎖して起こり、爽子の心が決壊していく―。
第二次世界大戦の戦没者墓地で、若い女性たちが禁断の儀式を行っていた。しかしその行為は、眠りについていたナチス兵士のゾンビ軍団を呼び覚ましてしまった。血に飢えた亡霊たちは村を襲い、やがて周囲の集落へと恐怖を拡大していく。逃げ場を失った人々は、仲間を次々と失いながらも生き残りを懸けて戦うことに。彼女たちは過去の戦争の呪いと直面し、友情と裏切り、勇気と絶望が交錯する中で、亡霊を封じる唯一の方法を探し出せるのか―。